新患の方もお久しぶりの方も、まずは問診です。
自覚症状やお悩みをお聞きするのはもちろんですが、食生活や生活習慣についても差し障りのない範囲でお聞きしています。

お口には生活習慣が表れます。そのため患者さん自身の生活や健康意識を見直していくことが時には必要になります。治療で表面的には解決しても、根本的な原因が残ったままだと、数年後に同じ悩みや痛みをぶり返したりご家族に似た症状が出たりすることがあるからです。

診療台の上でお口を開けた状態では「歯科医師→患者さん」という一方通行なコミュニケーションになりがちです。そこで当院では、まずFace to Face（対等の対面スタイル）で患者さんと対話します。レントゲン写真を見ながら患者さんが望むゴールが何かをお聞きし、そのための治療計画を立てていきます。

診療台に座っていただきお口の中を拝見するのはその後です。

当院は小さな歯科で、一人の歯科医師が診療しています。そのため、一人の患者さんにじっくりと向き合えるよう、完全予約制で一枠約30分のスケジュールを組んでいます。その中でも治療が進行中の患者さんは治療の時間を長くとり、症状が安定している患者さんには良い状態をキープできるようなお手入れや予防アドバイスに時間をかけています。

「今までは、何をされているかはよくわからずに歯医者さんに任せっきりだったけど、この歯科医院に来て、自分の口のことは自分でちゃんと考えなきゃいけないと思うようになった」と言ってくださった患者さんがいます。

当院でお伝えした予防ケアを家族に教えてあげたという方、ご自身の生活習慣の見直しが家族の健康にもつながったと喜んでくださる方もいます。
診療を重ねるにつれ、患者さんの健康意識や行動に変化が表れていくことが私たちの喜びです。

基本的に歯を極力残す治療方法をご提案しています。
たとえば初期の虫歯を見つけたとき、しっかりお手入れをしていけそうなら歯を削らずに経過観察をお勧めします。一度歯を削って詰める治療を始めると、経年劣化で同じ治療を繰り返してしまうケースが多いからです。そして治療を重ねるごとに、削る量は増えていってしまいます。

進行した虫歯などで歯を削らざるをえなくなった方には、患者さんご自身が最も良い選択ができたと思えるまで一緒に考え抜きます。というのも、症状に対して治療方法はひとつではありません。成長期のお子さん、健康に気を使いにくい働き盛りの方、ご高齢の方といったライフステージによっても選択肢は変わってきます。保険診療が適していることもあれば自由診療で解決できることもあります。

そしてお悩みが解決して、ご自身でお手入れができるようになり、定期検診以外で再びお目にかかる必要がないところまできたら、自信を持って送り出しています。